考える、と言いながら今日後輩と飲んでいて思っていたことを書く次第です。
学部生エンジニアなり修士過程の大学院生エンジニアなり、多くの人は学卒として起業に就職することになります。もちろん博士課程に行くとか、起業するとか色々な選択肢があるわけですが、多くの人は新卒として入社するわけです。僕もその中の一人です。そんな中、今日大学の後輩と飲みながら色んな話をする機会があって、一昨年の今頃は何をしていたかなあなどということを思い返していました。積もる話になります。
僕自身は、就活中に事業を一緒にたちあげてみたり、内定者でありながら色々取り組んだり、研究をしたり、一昨年から昨年にかけていろんなことをしてました。基本的にはWebが好きだったので、何をしていてもそれに関連した物事をやっていました。今でもそこは変わらずに、仕事をしています。今はWebエンジニアと言うよりはWebのデータの分析のようなことをしている時間が多いです。いわゆるフロントのアプリを書く時間は減りました。その時々興味が変わることしばしばですが、分析よりのことというのは長期的に取り組んでいきたいので、今は長い目で見て足固めをしているという認識でいます。
さて、そうこうしていたわけですが、実際に就職するとなると悩むわけです。それはもう、とても悩みました。エンジニアというのは(そして特にWebエンジニアというのは)、多くの人が考えているように成長の方向性が多種多様ですし、ビジネスにも近いような印象がありますし、スピーディーかもしれないし、イメージとしては色いろあるのではないかと思います。僕も自分でWebアプリケーションを前々から作っていたわけですが、どうもよくわからない。プロのエンジニアというのは一体どういう人達で、どんな仕事を普段していて、かつ、そういう人たちのように働くには自分は何が足りないのだろう、とか。プロ。そう、プロのエンジニアというのがよくわからなかったわけです。それは、お金を稼いでいればプロだ、そうに違いないという話も又あるわけですが、僕の中では単にそれではいけなくて、いわゆるプロの演奏家だったりプロのサッカー選手だったり…。そういう特殊性をはらんだ何か、という漠然とした認識が有りました。就活生の時の話です。
今思い返すと、目に見えない漠然とした目標というかエンジニアのあるべき姿というものをずっと追い求めていて、つまるところわからなかったのです。何でしょう、そんな伝説のいきものじゃあるまいし、もちろん素晴らしいエンジニアの方々は今仕事をしていたり勉強会だったりでお会いするわけですが、この頃はそんな具体的なイメージはないのです。よくわからない。なので、僕の中で、職業としてエンジニアをやるためにはこうあるべきだ、という妄想が膨らんでいたような気がします。そのためにどういう場所に見を置けば私はプロのエンジニアになれるのだろう、そんなことをずっと考えていました。このへんの過程というのは無駄に見えて、実は今すごく活きているのですが、そのあたりは横道にそれるのでひとまずおいておきます。
さてそんななかで僕がふと視線が開けた、というか考え方が変わったタイミングというのはありました。信頼出来るエンジニアの方からふと言われたことです。「どこに身をおいても、結局エンジニアとして伸びるかどうかは自分次第だ。」ということです。学び続けるには自分で学び続けるしか無いわけです。ああ、なんて当たり前なんだろう。いや、そうに違いない、と思ったわけです。なんだかこの時にふと肩の力が降りて、ああ、そうか、僕は僕で学び続ける覚悟がある、腹をくくっているのだから、自分自身が伸び伸びと学べる環境を選ぼう、とそういう判断をするに至ったのです。
これは今でも変わらず、働き続けてからも変わらないことなのです。僕はこの先も、どういう環境であれ、いろんなことを学ぶ機会があるだろうし、むしろ自分から学ぶ機会を得て、時にそれを伝えながら、自分で学びたいだけ学べばいいわけです。そしてそれを活用する場所があれば、自分の学んだことを試しながら、さらに誰かの為になることができる。そういう良い循環を作っていくというのは、結局のところどこで働こうとも、事業を作ろうとも、一人で働こうとも、変わらずに一緒なのだと思います。なので、僕はたとえ後輩の、とても近くにいて色々世話を焼きたい後輩であっても、「ここにいけ」とか「その選択はよくない」とかいうことというのはほとんど無くて、彼ら彼女ら自身が何をやりたいのか、何を伸ばして行きたいのか、詰まるところどんな価値を誰のために自分のために何かのために出して行きたいのか、というようなことさえ腑に落ちれば、まぁあまり細かいことは殆ど言わないのです。でもこれがまたなかなか伝えるのが難しく、どうしたらいいものかと思うわけです。どう伝えたらいいのでしょう。
今年もまた、新卒採用の時期というののまっただ中で、たくさんの楽しいエンジニア - この子は何か楽しいことをやってくれそうだな、楽しんで働いているかな、一緒に働いていて楽しめるかな - というようなことを一人ひとり感触で確かめつつ、また新しい出会いを僕自身楽しんでいます。同じエンジニアですから、お互いに良い仕事をして、旨い酒を飲んで、楽しい話を出来ればよいのかなぁ、一緒に日本のWebの業界を楽しくしていけたらいいね、なんてことを想う時期になりました。