2022/05/20

育休を終えて

1ヶ月ほど育児休業、いわゆる育休をとった。休暇、といっても家事をやったりだっこしたりというのでほとんどPCに落ち着いて向かう間もなく、こうして文を書くこともなかなかできず・・。せっかくなので書いておく。

自分も子供が産まれたら休みはとろうと前々から考えていた。育児休業制度の活用や手続きにあたっては、弊社の労務メンバーに全面的にサポートしてもらった。ありがたい。なかなか制度を読み解いたり理解をするのもひと手間かかったのでとても助かった。結果としては1ヶ月程度休むことにした。

産後、妻は産褥期に入る。出産後、体がもとの状態に戻るまでの期間である。妊娠中からつわりもあれば体もそもそも重くなり動きづらいというのもあるため、出産前も家事全般をやるようにしていた。しかしながら出産後のほうが体を動かすのが全般的に負荷が高そうな印象を受けた。産前はそれこそ散歩にいくなどもできる状態だが、産後はそもそも立つことすらつらいのである。その状態にいてなお、2,3時間ごとに授乳しなくてはならない。もちろんミルクで育てることもできるが、どちらにせよ夜でも日中でも関係なく起きる必要がある。

自分はミルクを除き食事、つまり授乳をこなすことができない。なのでまず妻の体調・コンディションを戻るまでのサポートに取り組むというのが夫婦 + 赤ん坊生活の始まりとしては妥当であると思う。ということで基本的に1ヶ月間ひたすら家事をしていた。妻には寝れるときには寝てもらい、とにかく横になっていてもらう。

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1週間するとひとまずペースもできてくる。慣れて、これからどうしようね、明日はあれを試してみようかといった会話をして、試してみる。首も座っていないし、どこかに行くわけでもなく、ただただ子を眺める。ただただかわいい。うんちをしている。泣く。おむつを変える。それもかわいい。そういうことをしているうちに一日が終わる。

2週間するとなんで泣いているのかがわかったような気がしてくる。これはおむつかな、これはお腹が空いたのかな。あるいは暑いのかな。そういうことを話していく。課題の切り分けである。ああこれはおむつだな、と思って変えてみようとしたら全然していなかったりする。難しい。しゃべってくれ。どっちなんだ。ああかわいい。と思っていたら泣き止む。なぜなんだ。わからん・・ということを繰り返す。一日が終わる。

3週間するとまあわからないものはわからないよね、というある種の諦めもついてくる。悟りである。親は3週間もあれば悟る。しかし泣く。しゃべらない。まあしかしそういうものである。ちょっと抱き方を変えてみたり、静かにしてみたり、つんつんしてみたりする。かわいい。泣きながらおならをしたりする。げっぷさせたいのにおならをしたりする。なぜなのか。

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大人は大人の会話がある。僕らが話していると、こっちをみている。子もなにかをしゃべろうとしているのじゃないかと考えてみる。夫婦でやっと落ち着いてごはんを食べる。こっちをみている。じっと眺めている。かわいい。食べたいのかもしれない。いちご食べるか、と聞いてみる。ちょっといちごを目で追った気がしてくる。おおそうか、目で追うというのは進化なのだ。成長なのだ。すごいスピードで成長している。ぐんぐんと大きくなっていく。気を休めるまもなく、成長していく。

妻も自分も、大人と会話する時間が一日のなかでとても貴重である。あれだねこれだねというのでもなく、他愛もない話をする。

自分が休んだのはたかだか1ヶ月である。しかし1ヶ月でぐんぐんと大きくなる。目がくりくりしてきて、体も重くなって、だっこしているとこっちを引っ掻いてきたりする。かわいい。昨日とも変わっている。毎日変わっていく。人というのはこんなに早く変わっていくものなのかと今日も思う。

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1ヶ月、家事をして、子を抱っこしながら本を読んでいたらあっという間に過ぎてしまった。いまだかつてこんなにパソコンを触れなかった1ヶ月はない。今こうして仕事に戻ってみると、こんなに大人と話をしていたのかと気づく。話せることの奇跡。言葉のあることの不思議。意思疎通の便利さ。ああでもすぐに隣の部屋にもどって抱っこをしたい。いやいや、仕事に集中しよう。大人の世界は素晴らしいし、子供の世界は可能性に満ちている。2100年をこの子はどう過ごしているのだろうか。

育休を終えて自分の中で変わったことは、時間の感覚である。COVID-19で人と会う時間がぐっと減ってしまった。仕事も家で。でも子はそれも関係なく、あっという間に時が育てていく。時間が濃い。仕事をして、人に会う。言葉を交わせることがこんなにも楽しいことだったなんてと驚く。この会話をいままでどれくらい大切にできていたかなと思い返す。みんなそこに時間を使ってくれていたのだ。自分はどんな未来をつくっているか?

そして今はだらだらとパソコンでこうして文を書くことの喜びを噛み締めている。