ある日同僚に「どういう人と働きたい?」と質問をしました。一緒に働きたい人というのはいろんなイメージがあると思います。私が一緒に働きたいエンジニアとはこういう人です。
* 自分の考えの軸がある人。一つ一つの判断すべき事柄について、理由をもって人に伝えることができ、行動ができる。かつ、それが技術的な観点をはじめとして納得できること。
* 私にはない長所や強みを持っている人。人には悪いところなんてたくさんあるのだし、私も欠点はたくさんある。それを見てもくすんでしまうくらい、この人にはこんな素晴らしいところがある、という人と働きたい。そういう人との仕事は常に面白いものです。
* 技術的な問題を段階を分けて整理でき、やるべきことを判断し、次に起きうる事象についても予想しつつ対策を兼ねて実装ないし対応できる人。技術的な問題というのはとある現象から見つかることが多いものです。そうした報告が上がってきたときに、何が根本的な問題か大体の見当がつくかつかないか、というのはその後の時間の使い方に大きく関わってくるのです。
* 技術的な問題の面白さを共有できる人。私は技術的な問題を興味深く話をすることができる人というのは素晴らしいと考えています。そういう話を日頃から一緒にできるのはとても楽しいものです。
* 自ら学び、自ら変われる人。学ぶというのは自分の価値観を変える方法です。今ある技術に習熟しているとしても、常に学んで自ら変わっていく人は強いし、面白い。自分の価値観を変えることができなくなるときは、エンジニアとして何かが止まってしまうときだと私は考えています。謙虚に他の人から学ぶことができなくなってしまったら、何も教えてもらえなくなってしまうのと一緒です。
* チームメンバーを尊敬できる人。これがなくてはチームは回りません。どんないい意見も、尊敬のない関係では無意味になってしまうのです。
ぱっと思いつくのは上のことでした。私自身が私を面接するとしたらどうなるのでしょう。そう考えると私が私を落とすということがないように、私自身も上にあることを意識して仕事をするようにしています。AlphaGoのニュースを最近見ていたので、何かこれは自分が自分と対局しているようなもののように思えてきました。
2016/03/14
2016/03/13
聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団 J.Sバッハ『マタイ受難曲』を聴いてきました
ゲヴァントハウスと聖トーマス教会合唱団のマタイが聴ける、ということで昨日はミューザに行ってきました。
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=376&lang=1
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ(第一部のみ)、オルガン。それに加えてよく抑制された弦5部。そして少年合唱。
テノールのペッツォルトさんが圧巻。音の粒が細かくなり歌詞が劇的になっていくにつれて、オケの空気を変えていく。言葉と音楽の力を合わせて使って場面を一気に変えてしまう。そしてものすごい響き。ふくよかさというか、面じゃなくて空間で押し寄せられるような発声。特に第二部では、例えば死の場面では小さな、無念さのある歌詞のところでppで、それでも響いて旋律が生きている。これでまたオケの雰囲気が変わっていて引き締まってくる。これはすごい体験でした。
あとはアリア「憐れみ給え、わが神よ」。これが美しかった。単純にこのアリアが好きだったので、聴けてよかった・・・。ここのヴァイオリン合奏とアルトの組み合わせは本当に素晴らしい。感動した。そしてコラール「いつか私がこの世を去るとき」。和声の美しさ。頭の中にはフォリオス。
マタイ受難曲を聴くと思うのは、やはり言葉が中心にあるのだということ。これは去年ヨハネ受難曲を聴いたとき(コルボ + ローザンヌ、あの演奏は本当に素晴らしいものでした)にも感じたことで、私からは遠くの出来事であるように感じながらも、それを支える音楽というのはやはりすごいものだなと思うのでした。
---
マタイ受難曲をホールで聴くのは初めてでした。大学のドイツ語の授業で、1942年頃に演奏されたマタイ受難曲の録音がこの世の終わりのような雰囲気を出していたのを印象深く覚えていました。ドイツ語は第二外国語として学んでいたのですが、その先生は音楽、特にバッハが大好きな先生でマタイの歌詞を聴き取るというのを授業中にやりました。ドイツ語は字と発音が一致しているので、単語さえ知っていれば聴き取りやすいものです。(とはいえ私はもうほとんどドイツ語を忘れてしまいましたが・・)
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=376&lang=1
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ(第一部のみ)、オルガン。それに加えてよく抑制された弦5部。そして少年合唱。
テノールのペッツォルトさんが圧巻。音の粒が細かくなり歌詞が劇的になっていくにつれて、オケの空気を変えていく。言葉と音楽の力を合わせて使って場面を一気に変えてしまう。そしてものすごい響き。ふくよかさというか、面じゃなくて空間で押し寄せられるような発声。特に第二部では、例えば死の場面では小さな、無念さのある歌詞のところでppで、それでも響いて旋律が生きている。これでまたオケの雰囲気が変わっていて引き締まってくる。これはすごい体験でした。
あとはアリア「憐れみ給え、わが神よ」。これが美しかった。単純にこのアリアが好きだったので、聴けてよかった・・・。ここのヴァイオリン合奏とアルトの組み合わせは本当に素晴らしい。感動した。そしてコラール「いつか私がこの世を去るとき」。和声の美しさ。頭の中にはフォリオス。
マタイ受難曲を聴くと思うのは、やはり言葉が中心にあるのだということ。これは去年ヨハネ受難曲を聴いたとき(コルボ + ローザンヌ、あの演奏は本当に素晴らしいものでした)にも感じたことで、私からは遠くの出来事であるように感じながらも、それを支える音楽というのはやはりすごいものだなと思うのでした。
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マタイ受難曲をホールで聴くのは初めてでした。大学のドイツ語の授業で、1942年頃に演奏されたマタイ受難曲の録音がこの世の終わりのような雰囲気を出していたのを印象深く覚えていました。ドイツ語は第二外国語として学んでいたのですが、その先生は音楽、特にバッハが大好きな先生でマタイの歌詞を聴き取るというのを授業中にやりました。ドイツ語は字と発音が一致しているので、単語さえ知っていれば聴き取りやすいものです。(とはいえ私はもうほとんどドイツ語を忘れてしまいましたが・・)
2016/03/01
Tokyo to New York 2016終演しました
Tokyo to New York 2016、終演しました。ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。
トムとは去年に引き続き2回目の本番となりました。まだまだ私は舞台にいると客観的に演奏を聴けてないのですが、少なくとも舞台上では演奏していることを楽しみました。合屋さんのA Summer Long Goneではすごくゆっくりなテンポになりましたが、リラックスして本番に入れたことが良かったように思います。リベルテもアンサンブルとして、本番でより深く落ち着くということができるようになってきたのかもしれません。そう思えば田口さんのAzure Childでは途中からだいぶ加速していきました・・がカオスな感じがうまく出ていれば、と思っています。Mooseの初演ではクラリネット+ピアノ+マンドリンアンサンブルという今まで私たちもやったことのない組み合わせとなりました。初めてやることはいつも面白いもので、こういう機会をいただけて嬉しかったです。打ち上げでも聞いてくださった皆さんといろいろお話を伺ったのですが、やはりもっとマンドリンアンサンブルの響きを出していかないと特にピアノとのバランスが取れないという話がありつつも、こう言った試みの面白さや可能性を楽しんでいただけたようでした。作曲してくださった川上さんに感謝です。
当日白寿ホールに着いたらゲネプロがもう始まっていて、高橋アキさんが西村さんの静寂と光を演奏されていました。舞台裏で聴いただけで、ああこれはアキさんが弾かれているのだろうなとなぜか分かってしまう不思議さがありました。どうやったらあのように和音が聴こえてくるのかわからないのですが、複雑そうな和音がとても自然に降ってくるのです。ああ素晴らしいなぁと思いながら聴いていました。私がクラシックを聴き始めた19歳くらいの頃からAki TAKAHASHI plays TAKEMITSUを聴いていて、そのCDの中の曲想や雰囲気が好きだったのでした。そんなこともあって、今回一緒に演奏させていただく機会をいただけたのはとても嬉しく、私にとっては素晴らしい1日となりました。
http://blog.kentasuzuki.net/2016/02/tokyo-to-newyork-2016.html
トムとは去年に引き続き2回目の本番となりました。まだまだ私は舞台にいると客観的に演奏を聴けてないのですが、少なくとも舞台上では演奏していることを楽しみました。合屋さんのA Summer Long Goneではすごくゆっくりなテンポになりましたが、リラックスして本番に入れたことが良かったように思います。リベルテもアンサンブルとして、本番でより深く落ち着くということができるようになってきたのかもしれません。そう思えば田口さんのAzure Childでは途中からだいぶ加速していきました・・がカオスな感じがうまく出ていれば、と思っています。Mooseの初演ではクラリネット+ピアノ+マンドリンアンサンブルという今まで私たちもやったことのない組み合わせとなりました。初めてやることはいつも面白いもので、こういう機会をいただけて嬉しかったです。打ち上げでも聞いてくださった皆さんといろいろお話を伺ったのですが、やはりもっとマンドリンアンサンブルの響きを出していかないと特にピアノとのバランスが取れないという話がありつつも、こう言った試みの面白さや可能性を楽しんでいただけたようでした。作曲してくださった川上さんに感謝です。
当日白寿ホールに着いたらゲネプロがもう始まっていて、高橋アキさんが西村さんの静寂と光を演奏されていました。舞台裏で聴いただけで、ああこれはアキさんが弾かれているのだろうなとなぜか分かってしまう不思議さがありました。どうやったらあのように和音が聴こえてくるのかわからないのですが、複雑そうな和音がとても自然に降ってくるのです。ああ素晴らしいなぁと思いながら聴いていました。私がクラシックを聴き始めた19歳くらいの頃からAki TAKAHASHI plays TAKEMITSUを聴いていて、そのCDの中の曲想や雰囲気が好きだったのでした。そんなこともあって、今回一緒に演奏させていただく機会をいただけたのはとても嬉しく、私にとっては素晴らしい1日となりました。
http://blog.kentasuzuki.net/2016/02/tokyo-to-newyork-2016.html