ゲヴァントハウスと聖トーマス教会合唱団のマタイが聴ける、ということで昨日はミューザに行ってきました。
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=376&lang=1
ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、チェンバロ(第一部のみ)、オルガン。それに加えてよく抑制された弦5部。そして少年合唱。
テノールのペッツォルトさんが圧巻。音の粒が細かくなり歌詞が劇的になっていくにつれて、オケの空気を変えていく。言葉と音楽の力を合わせて使って場面を一気に変えてしまう。そしてものすごい響き。ふくよかさというか、面じゃなくて空間で押し寄せられるような発声。特に第二部では、例えば死の場面では小さな、無念さのある歌詞のところでppで、それでも響いて旋律が生きている。これでまたオケの雰囲気が変わっていて引き締まってくる。これはすごい体験でした。
あとはアリア「憐れみ給え、わが神よ」。これが美しかった。単純にこのアリアが好きだったので、聴けてよかった・・・。ここのヴァイオリン合奏とアルトの組み合わせは本当に素晴らしい。感動した。そしてコラール「いつか私がこの世を去るとき」。和声の美しさ。頭の中にはフォリオス。
マタイ受難曲を聴くと思うのは、やはり言葉が中心にあるのだということ。これは去年ヨハネ受難曲を聴いたとき(コルボ + ローザンヌ、あの演奏は本当に素晴らしいものでした)にも感じたことで、私からは遠くの出来事であるように感じながらも、それを支える音楽というのはやはりすごいものだなと思うのでした。
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マタイ受難曲をホールで聴くのは初めてでした。大学のドイツ語の授業で、1942年頃に演奏されたマタイ受難曲の録音がこの世の終わりのような雰囲気を出していたのを印象深く覚えていました。ドイツ語は第二外国語として学んでいたのですが、その先生は音楽、特にバッハが大好きな先生でマタイの歌詞を聴き取るというのを授業中にやりました。ドイツ語は字と発音が一致しているので、単語さえ知っていれば聴き取りやすいものです。(とはいえ私はもうほとんどドイツ語を忘れてしまいましたが・・)