2016/02/21

Tokyo to New York 2016 に出演します

来週の日曜日、Tokyo to New York 2016に出演します。白寿ホール、14:30開場15:00開演です。

 
 
昨年、リベルテとしてマンドリンとクラリネットシリーズで共演したクラリネット奏者、Thomas PIERCYさんの主催するコンサートシリーズになります。2013年に開始されて、今年は4年目になります。今回はリベルテとして以下の3曲を演奏します。

Masatora GOYA  合屋正虎   “A Summer Long Gone” Concerto for Clarinet  (Composed for Thomas Piercy)
Osamu KAWAKAMI  川上統    "Moose" Double Concerto for Clarinet and Piano  (Composed for Aki Takahashi and Thomas Piercy)
Kazuyuki TAGUCHI 田口和行 “Azure Child” Double Concerto for Clarinet and Mandolin (Composed for Thomas Piercy and Go Mochizuki)

合屋さんのA Summer Long Goneは昨年のマンドリンとクラリネットの際に初演した作品です。クラリネット協奏曲となっています。初回リハですぐにテンポや呼吸あわせも安定しました。リベルテでクラリネットと演奏をするのは前回が初めてでしたが、個人的にはだいぶ呼吸を合わせたり、歌いやすくするためにどう弾いたらいいかというのを感覚としてつかめてきたように思います。

川上さんのMooseはピアノとクラリネットの二重協奏曲です。今回が初演となります。ピアノは高橋アキさんです。昨日初めて全体集まったリハがあり、合わせをしました。トムが「その音がMooseっぽいよね」などと冗談を言いながら練習していたりするのですが、Mooseというのは日本語で言うところのヘラジカのことのようです。私はすっかり魚の名前だと思っていました。川上さんの作品は魚の絵のイメージがあったのです。去年12月の演奏会で演奏した川上さんのヘリコプリオンではバリバリとした攻撃的な曲でしたが、このMooseは音がぐっと減って、1つ1つ音の跳ねる感じを強くつけていくように弾いています。そこにピアノとクラリネットがあって、リベルテとしてはだいぶシビアにイントネーションやリズム感、音の輪郭やソリッドさを要求されているように思いました。

田口さんのAzule Childはクラリネットとマンドリンの二重協奏曲となっています。昨年のマンドリンとクラリネットの際に初演した作品です。この曲は個人的にはすごく楽しい曲です。途中でとある曲の引用があってお茶目なのですが、そのままマンドリンとクラリネットが遊びまわっていく、といったらいいのでしょうか、それくらいこう自由な感じで遊びがある曲です。すごく余談かつマニアックなポイントを説明すると、クラシックギターでこれだけピックを使った曲は個人的には初めてで、この一年間でだいぶピッキングスキルが上がって気がしています。でも確かに、途中の荒れていく部分では指だと辛いのです。

すごく個人的な話ですが、高橋アキさんのピアノは1ファンとして色々な演奏をCDごしに聞いていました。武満さんのピアノ作品はほとんど高橋アキさんの演奏で初めて聞いたものでした。なので昨日一緒にリハーサルできたのはとても嬉しいことでした。とはいえもちろん本番の舞台は客席ではありませんから、しっかり弾いていけるように準備していこうと思います。

以下コンサート概要です。

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Tokyo to New York 2016 Tokyo - TONADA PRODUCTIONS
http://www.tonadaproductions.com/tokyo-to-new-york-2016-tokyo.html

「Tokyo to New York」コンサートシリーズは東京とニューヨークの絆と音楽を祝うコンサートシリーズです。いわゆる西洋の楽器と日本の伝統楽器のために作曲された曲目を演奏します。アバンギャルドからコンテンポラリー、前衛からミニマリズム、またはJポップや ジャズなど幅の広いスタイルの音楽をお届けします。「Tokyo to New York」コンサートは、日米の作曲家とその両国で活動する演奏家とのコラボレーションによるコンサートです。 初年度2012年以来、「Tokyo to New York」コンサートシリーズで初演した作品数は、世界初演58作品、日本初演16作品、米国初演21作品を数えています。

米国での「Tokyo to New York」コンサートはニューヨークタイムズ紙の批評家のピックアップ・コンサートとして選ばれ、NYClassical Review紙は「Tokyo to New York」コンサートをニューヨークにおけるコンサートシーズンのハイライトとして紹介しています。 Lucid Culture Magazine は「優れた演奏に裏打ちされたジャンルの広い、新作品を集めた室内楽コンサート」と 評されました。

ニューヨークのオンラインマガジンLucid Cultureには、「ピアシーが奏でる日本とアメリカの作曲家たちによる芳醇なプログラム」、「目を見張るような多様性と技巧性にあふれた室内楽作品 は、日本の作曲家によるニューヨークへの視点と、アメリカの作曲家による日本への視点に基づいて書かれている。作品の多くは比較的短いけれども、演奏者たちはみな情熱と深い洞察力、繊細さを持って、多種多様な性格を持つ作品群を見事に解釈してみせた」と評価されています。