2011年6月5日日曜日

学術

昨日まで盛岡で人工知能学会だった。普段関わらないような分野の研究発表を聴けるのは学会の魅力だ。自然言語処理、ロボット、中には市民活動を対象とした発表もあった。聴講者としても楽しい3日間だった。

僕はLinked Data関連セッションで発表させていただいた。Linked Dataとは、様々な事実の集合をデータとして公開し、相互に利用し合う枠組みのことを言う。欧米やアメリカでは政府主導でデータの開示が進んでおり、進展が著しい。Linked Open Dataといわれているところには、多くのRDFデータが集積し、新しいサービスの開発が進められようとしている。セマンティクスの世界が事実の集合の世界に根ざし、良い効果を生み出す布石になるのではないかと個人的には感じている。

この分野において最も難しいところは権利関係になのではないかと思う。研究用途だとある程度寛容ではあるものの、Web上のデータを利用するとなると、サービスプロバイダーの保有するデータの著作権といったものを無視することはできない。これらに対する解決策は大きく分けて2つある。

  1. トップダウン的に押し進め、役に立つサービスの立ち上がりを待つ

  2. ボトムアップ的に役に立つものを先に作り、世に示す


欧米各国では1の方法で普及が進んでいった。しかし同様のことを日本で行おうとすると、まだまだ現実には遠いのではないかという印象をうける。だとすると従来のWebがやってきたように、データを自製しつつ、サービスを立ち上げていくということの方が現実味がある。結局のところ、データが役に立つかどうかはサービス次第なのだ。それらのサービスに対し、役に立つと感じる人が増えたとき、初めてデータの価値が広く認識される。もちろん時間はかかるのだが、学術的な理論から飛び出して役に立つものをつくるというフェーズは、どの分野においても生じるものなのではないかと思う。

Webサービスを作りつつ、Webについて研究するということは、ある側面から見れば矛盾もあるが、お互いの分野から譲歩することは今後さらに必要になった行くと感じている。実際のサービスで利益をあげることを頑に否定するのでもなく、実現まで遠い技術や概念のことを遠くに置きすぎるのでもない。先を見据えつつ、一般の人に対して価値を提供するものを作ること。これが将来的に自分の役に立っていく視点なのだろうと感じた学会だった。

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