2021/11/23

人の矛盾

勇ましい人がある面で女々しかったり、狡猾に思えた人が律儀であったり、誰にも明るく振る舞う人が実は一人の静かな時間を愛していたりする。

人と話したり、話を聞いたりしているとこれまであった人たちと重ねて、ああこういう方なのかなと考えてしまいがちである。ある一面をみて、とても細かい人だなーと思った人が別の日にはとても大雑把に見えたりもする。

自分自身でもよく矛盾をしている。晴れた日には散歩をすべきだと日頃いっていても、実は出不精をこじらせて家でパソコンを触り続けていたりする。普段から元の場所にものを戻す癖があるのに、なぜか自分のパーカーだけはいつも違うところに置く。誰かに少し気を使って振る舞えたと思えば、その次には勝手なことをしてしまったりもする。同じ自分の中なのに、特に考えたわけでもなく、なにか通らないことをしてしまうことがある。

今日はモームの「月と六ペンス」という小説を読んだ。ストリックランドという架空の画家の話である。ストリックランドはイギリスの証券会社で働いていたが、40歳のある日突然仕事をやめて家を飛び出してしまう。それまで真面目そうに見えていた人間が、支離滅裂な会話をし、全く人に気を使わない人物像が徐々に描かれていく。会社員時代に交流のあった上流階級の人々と、絵かきになってから日銭を稼ぎながら関わっていく人々との対比が鮮やかにされている。絵に没頭し、それ以外のことに関心がない。現代では受け入れられないだろうなあという描写も多々あるけれど、人物がとにかくいきいきとしている。そして矛盾を抱えている。読んだあとから知ったがゴーギャンをモデルにかかれている本らしい。

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誰かについて他のひとに話すとき、どうも「こういう人なのだ」と話してしまいがちである。のだけれども自分も含め、人というのは矛盾している。それを知っているのに、ちゃんと人となりを知り、ちゃんと人となりを話すというのは難しい。

案外、好奇心によって人がなぜそういうことをしているのかを見ている人のほうがすんなり受け入れられるものなのかもしれない。ストリックランドという人はそういう具合に描かれていた。このひとはなんでこういう考えに至ったのだろうなあということを考えるほうが面白い。それがぱっとみわかりづらいほど、実は味があるということもある。しかしながら日々の生活において、わかりづらいことは避けられ、プロトコルに従っていることをが安定をもたらす風合いがある。それが面白いか面白くないかはさておき、共通観念の上にいるのだという安心感はこういう好奇心をどこかに追いやってしまう。

COVID-19下の生活になってから、どうも自分と共通の価値観の人たちとしか混ざらなくなってしまっているという怖さが常にある。飲み会で興味のない話を聞かされる機会も減り、カンファレンスで知らない話を聞く機会も減った。日常の複雑さが減ると、無意識に同一な人たちとの時間を増える。快適だが、そういう生活では長い目でみるとどんどん違うものに対する好奇心が減っていってしまうのではないか。

そんなことを最近は思っているのでした。

2021/07/19

腰を据えて取り組むこと

あちらこちらへ意識をそらし、いろいろなことに頭を巡らせ、明日自分の処遇がどうなるかを考えながら事に取り組む・・そういう環境の中で磨かれる力もある。

また、長く取り組むことを前提に、小さな波を気にせず、腰を据えて成果を出すために取り組む・・・そういった辛抱のなかで磨かれる力もある。

1つ1つの仕事は小さいことで、これを数年数十年に渡って続けなければならないこともある。自分は長く物事に取り組む方が好きで、これは案外困難なことらしい、というのが最近に色々な人と話す中でわかってきた。そして、好奇心を持った物事がたくさんあるというのと、何かについて長く好奇心を持ち続けるというのはまた別の強みなのではないか、と考えるようになった。ソフトウェアエンジニアたるもの、ソフトウェアのあらゆるものに好奇心をもって取り組むべきなのだ・・!と考えていた時期もあった。しかしすべての好奇心を燃やすというのはなかなか持続しない。しかし、少なくとも自分が興味を持ったいくつかものについて長く取り組むというのは、好奇心のスピードではなく、小さな変化に気を払って、ちょっと触って試して見続けることで可能になる。好きなことへの取り組み方は自由なのだと思う。

特にキャリアの初期というのは焦りもあるし、成果を出すことを急ぎがちである。自分も例にもれずそうだった。色んな人と自分を比較して、足りない部分を埋めるべく必死に本を読み漁り、いろんな分野に顔を出した。刺激的だし、常になにか成長していないと焦っていた。今も成長痛がほしいと思いながら頭を殴られるような本を求めている。けれど、いまの欲しさと当時の欲しさは違うように思う。生活を満たすために実力をつける、というのとは違い、自分が何に興味を持っているかをしっかりと感じ、その興味を持ったことにじっくりと取り組む。その面白さがようやくわかってきたのかもしれない。

腰を据えて取り組むというのは案外難しい。キャリアのこと、給与のこと、競争環境のこと、知人たちのこと、チームのこと、社外のこと・・、様々なことを気にしがちなのが人間である。自分の中にある好奇心をちゃんと感じて、何かに長く取り組むということは、将来の自分を変えてくれる。しかし、何かしら成果をあげて信頼された状態になければ焦りはあり、長く腰を据えて取り組む土壌というのは育ちづらいものだと思う。これはいくら周りのサポートや環境が整っていても、整いすぎるということはない。腰を据えるには自分のなかにある何かが質的に据えた状態にならなければ、そうはならない。最初は小さな成果であっても、自分がなにに取り組みたいと思っているかを捉え、取り組み始めるにはおそすぎることはない。

自分がそうであったように、今は誰かがそういう取り組みをしようとしているときに、ちゃんとそれに気づき、腰を据えられるようにサポートしてあげられるようになりたいと思うようになった。これは人によって変化が違う。しかし、長く一緒に仕事をしていると変化に気づく。そういうタイミングを見逃さず、変化を捉え、注力させられるようにすること。これが能力発揮の場を長くつくるということなのだろうなと、最近は考えている。

2021/06/28

1の時間で10をやる

ありがたいことに1つの事業領域に集中して取り組む時間をここ数年もらえている。デジタルマーケティングの領域においては外部環境の変化も毎年のようにあるけれど、変化を脅威とも機会とも受けながらプロダクトを改善しながら走り続けている。どこまでいってもプロダクトの改善というのは武器であり、顧客に価値を届け続けるために必要なことだというのは常に変わらない。

しかし最近、どうにもこうにも時間が足りなくなっている。これまでは打ち合わせやら考え事やらのあいた時間にがががっとAPIなり画面なりを作るという余白があったのだけど、かなり意識して3時間をおさえる、というようにしないと手を動かす時間がない。事業に関することでいうと、ざっくり次のことをやっている。

  • 採用
  • 評価
  • 組織
  • プロダクト

これらは4つとも関連している。たとえばリサーチ。将来投じるべき技術領域だと考えられるものをキャッチアップし、実際にやってみる。技術じゃなくても情報やモノであることもある。とにかく調べて、それをプロダクトにフィードバックすることを考えている。投資したい技術領域についてはチームを作ったり、あるいはそれにそぐう人をいれてみたり、社内に広めたり、といったことをしていく。その流れにそって採用も進む。組織をなめらかに、かつ強化するために評価があり、これは制度としての設計というより事業としてどうつかっていくか、ということを日々変えていっている。

プロダクトにおける先見性があるものをできているか?というとわからない。ありがたいことに様々な媒体の方々からいろんな要望をいただき、デバイス、国、様々な文化慣習を読み取りながら進めていっている。広告 + インターネットの領域というのはとりわけ多くのお金と知見が飛び交う傾向があり、毎月のように新しい取り組みがでては消えていく。ただ、大きい螺旋を描きながら改善していくのもこの世界の動きであり、それが例えば今はデータとプライバシーに関して起きている。ITPに始まり、3rd party cookieの廃止、ATT、SkAdnetworkやPCM、Privacy SandboxにTCFにCMP。新しい水準、全く新しい仕組み、いままで当たり前だったものが当たり前じゃなくなる。こういうことがどんどん起きていく。

会社として当たり前にやっているように思われることも、先んじて手を打っていることとそうじゃないことでの区別がようやくつくようになってきた。ファーストペンギン、セカンドペンギンという言葉もあるように、だれかの様子をみてからすぐ動く人もいれば、誰よりもはやく施策をうって高速に試験して次の手をうつ人たちもいる。セカンドペンギンは賢いと思っていたが、世界はもっとも巨人であろう人たちがもっとも最初に飛び込んでいく、というように見える時がある。実際に巨大なファーストペンギンがいる場合もあるし、自分たちの見えていない動向もまたそこにあったりする。世界は同時多発的に動いている。日本の動向は世界の余波を都合よく受けていく傾向がある。

良し悪しではないのだが、やっぱり日本については強くこうする、という意図、というより意志が優先されていかない。難しいが個人の意識が低い問題について、あるいは各々が考えてこうした世界を作ろうというものよりも、なにか大きな流れに巻かれていき、真っ当だと思われさせられている、という側面を見ることが増えてしまった気がしている。ただ、やり始めると早い。そういうことを仕事でもよく感じるようになってきた。ただこれもうまくいえないのだが、セカンドペンギンならぬサードペンギンくらいの位置で安心感をもって動かしていく、というのが得意なのだな、自分も含めて、と思う時がある。


などなどぐるぐると書いてみたが、ようするに考えを掘り進めて「何をすべきか?」を考えるというのはこのように時間が溶けていく。日々経営陣でも社内のことから社外のことまで幅広く話していると思っているのだが、一歩踏み出せば自分の頭で考えたようで、実はまったく考えていなかったな、ということが毎日のようにある。そういうことをしていると、これまで10の時間で満足にできていたことが5の時間でなんとか終わらせなければならなくなったり、あるいは1の時間で誰かにやってもらうための仕掛けが必要になっていく。

仕掛けをつくって時間を生み出せたら、その頃にはまた別のことをやりたくなっていてすでに動き始めている。そうこうしているうちにまた10の時間は1の時間になり、さらにさらに歩みを進めている。自分でもどこからどうきてこうなったのかよくわからないが、気付いたらいろいろなことが進んでいて、地形が変わっている。そういう感覚が最近強い。

ただ1つ言えるのは、自分から変えないことには自分の変えたいことは変わっていかない、ということだ。だから毎日、何かしらこうしたらよいとぶつくさ言いながらも、なんだかんだ集中して仕事をしているのだな、と振り返った。

2021/05/06

Web24のAdsセッションに登壇します

https://connpass.com/event/211877

Webのことをただひたすら24時間議論しよう!という趣旨の「Web24」に登壇します。僕はAdsのセッションオーナーで、セッションは21:50 - 23:20です。Adsセッションではyamazさん河村さんに登壇をお願いしました。24時間ということで、明日の18:00 - 明後日の18:00までなにかしらのセッションがあります。YouTube Liveで視聴できます。なお、アーカイブは残りません。Liveのみです。

昨今のWebにおけるAds事情はというと、着々とプライバシー保護の動きが進んでいることを耳にされることも多いのではないかと思います。Privacy Sandbox、iOSにおけるATT、はたまた今後IDとどう向き合っていくかという動きは今現在も議論・提案・実証の繰り返しを続けています。またWeb技術を利用してディスプレイが増えるなど、これまでのスマホ・PCに閉じない新たな領域でプログラマティック広告技術が使われるようになりました。

今回のセッションはこうした時代を捉えつつ、WebにおけるAdsについてざっくばらんに話せる場になれば、と思っています。なお、Web24は事前のネタあわせをさけ、台本もない、というアクロバティックな会です。当日どんな展開になるのか僕も楽しみにしています。ぜひご覧ください!

2021/04/26

コードから得られた洞察は、あなたが思っているより多い

あなたがソフトウェアエンジニアで、コードを読んで隅々までプロダクトを把握し、設計の良し悪しもわかっているのだとしたら、それはどんな洞察よりも細かくて正確なはず。

事業を作っていく中で、プロダクトのケイパビリティを増やそうとしたとき、綿密に市場をみて、スコープを決め、ユーザのペインを見て、それを回し続けているチームなら打率はあがっていく。プロダクトが立ち上がって2年ほどはいいが、肌感覚としてそれより長く立ったときにソフトウェアの問題が増えてくる。内部品質の悪化だ。2年もやっているともともと作ろうとしたものではない機能性を増やす場面を重ね、当初いくらきれいに設計したと思っても立ち行かない部分がでてくる。

内部で質の悪いところはソフトウェアエンジニアが一番知っている。書きづらいAPIがあったなら、隣接するインタフェース、あるいはデータへのアクセスが良くないなど、実際に何がどう悪いかというのを知っている。この肌感覚は組織にとってとても貴重だ。未然にこれらを潰すことはどんなときでも難しく、賢い人を集めた小さいチームでも起こりうる。しかしながらこれに気づいたとき、どの程度のリードタイムで違和感を解消するかによってプロダクトチームの加速度が変わる。すぐに直せるチームは2年の壁を超えて伸びていく。そうでないチームはプロダクトマネージャーあるいはソフトウェアエンジニア自身が実現したい機能がでてきても、機能をなかなかリリースできずに衰退していく。

年数を重ねれば重ねるほどこの壁は高くなる。2年で解消できればまだよく、これが5年ものになるともっと高い。複利で高くなる。壁を超えずに作った機能がさらに壁を高くする。さらに高くなった壁を超えるソフトウェアエンジニアを雇うのは、最初に事業を立ち上げるエンジニアを確保するよりも難しくなってしまう。やりがい、スキルセット、難易度など、採用要件を並べると壁を超えるというのは見劣りがちである。自分はこうした仕事を面白いと思うし、いわゆるソフトウェア考古学が好きな人間なのだが、案外こうした仕事は面白くなさそうに外からは見えがちである。コードが読めるソフトウェアエンジニアというのはこうした内部環境及び外部環境からみて、価値が高いと自分も考えている。

コードそれ自体から得られる洞察の重要性は、ソフトウェアエンジニアなら理解していると思う。しかし、案外それ自体がどれくらい個人にとって大事であるという感覚をもっているとしても(たとえばここを倒しておけば次のタスクがスムーズだ、等)、チームやプロダクトにとっても大事だという感覚は小さめであることが多い。自分ごとは問題のサイズがわかりやすいが、他の人のことは感覚が得られないためサイズを小さく見積もりがちである。

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というような話を今日は配属されてきた新卒エンジニアにしたのでした。春だなあ。

2021/03/26

32をこえて

 

人のいない桜の代々木公園(撮影: 2021/03/26)

春の代々木公園はいつも人だかりになっている。いろんな国の人が集まり、運動したり、宴会をしたり、楽器を弾いたりしている。こんなに天気の良いさくらの日に、がらんとした公園を見るなんて。

今月は3週間の長めの休暇(ボーナス休暇という制度がある)をいただいて、家でまったりとプログラムを書いたりしている。気づけば事業のことやチームのこと、その他事業周辺の多くのものごとを考え続けるという生活スタイルがここ10年弱の間に定着していた。テストやモニタリングのこと、本番で動くプロダクトがどういう作用をあたえるか。そういうものごとは刺激的で、常にあたまのなかに常駐している。周りのクルーには手間をかけてしまっているけれど、こういう休みのときばかりはしばしプロセスをkillして、何か他のことに関心をおけるというもの。遊んでみたり本を読んだりしていたものの、結局パソコンに向かってちまちまとプログラムを書いて遊んでいる。なんだ、仕事とやっていることは同じじゃないかと思ってもいるが、案外これが気に入っている。

COVID-19で変わってしまった世界を散歩する時間があるのもいい。よい世界ではない・・し、年々花粉症がひどくなってしまっている。しかしながら考え事をしながら練り歩くのは悪くない。休暇の間は散歩、プログラミング、そしてゲーム(最近はValheimという世界で海賊・・というより建築家として人参を栽培しながら掘っ立て小屋を量産している)をしたりしている。今日からプロ野球のオープン戦も始まるし、オリンピックのリレーもはじまったし(オリンピックはあるのだろうか?)、世の中が動いているのを楽しく見ている。

勉強をする時間というのをとりたいなと思っているときに、時間ができるというのはなかなかない。時間というのは欲しいときになく、暇なときにある。XORはだいたい1だ。なぜか今日このごろはちょうど時間がほしいときに時間がある。COVID-19のおかげで予定が全然ないので、デスクでなにかしらに集中する幸せな時間が増えている。

ともあれ来年にはビール片手に公園で和やかに過ごすのもまた悪くないな、と思っている。いざ64の世界へ。

2021/02/19

「Engineers in VOYAGEー事業をエンジニアリングする技術者たち」のITエンジニア本大賞 2021受賞に寄せて

昨年、「Engineers in VOYAGE」がラムダノートさんから出版されました。名前の通り、VOYAGE GROUPのエンジニアリングについて書かれた本になっています。

Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち

最初この本の企画についてCTOの小賀さんから「和田さんがVOYAGE GROUPのエンジニアにインタビューしてそれをまとめたら面白そうじゃない?」と相談されたのを覚えています。たしか2019年の秋頃。面白そうだけどどう形にするのだろうと思っていたら、あれよという間にラムダノートさんが携わっていただけることになり、おおこれはちゃんとした本になっていくのだなと思いはじめたのが2019年末。そこから章立てなどの本の構成を決め、さてインタビューをしていくか・・となった頃、COVID-19が日本でも感染者がちらほら出始めつつあったのでした。

自分とajiyoshiさんがインタビューを受けたのが2020年1月。初回のインタビューだったのでどうやっていくかというのも探り探りではありましたが、もうここ5,6年ほど和田さんにはコーチについていただけているのもあり、リラックスしてお話しました。それこそポッドキャストの収録のように、一応事前にどんな項目を話そうかというのをGoogle Docsに箇条書きにしていました。リアーキテクチャや技術的に面白い話になるとやはり多めに話してみたり、あるいは事業的になぜそういう判断ができたのかということについて深堀りしていただいたり。開発を加速するためのデプロイ、アーキテクチャ変遷、組織とコードの関連、負債の返却、故障からの復旧を速くするための工夫、フットワークの軽さ、採用に関する考えなどから意思決定の有り様について振り返る時間となりました。

この本が生まれたのは、和田さん、そしてラムダノートの鹿野さんのことばを引き出す力があってこそです。私達は普段「いい感じに」といって細かく言語化せずにチーム内でのやりとりをしてしまいがちです。そしてなぜこれがうまくいっているのかについてもまた、うまく言語化できていませんでした。事業部ごとのインタビュー集といった体裁で話し言葉で語られていきますが、僕たちの生の言葉と、読者のみなさまとをつなぐ抽象をお二人が作ってくれたからこそ、こうして多くの方々に共感や発見をしていただけるようになったのかなと思っています。どうもありがとうございます。

和田さんの昨日のDevelopers Summit 2021 「ITエンジニア本大賞 2021」プレゼン大会の資料にもあるように、この本はとても生々しいです。僕らは実践を通し、日々学び、リスクを選択しながら意思決定を重ねています。あらゆる開発に適用できるメソッドが書かれているわけでもないし、きれいな成功例が書かれているわけでもありません。日々どのような枠組みの問題をどのように解決し、技術者の集団としての振る舞いがどう形成されてきたか。そうした観点から僕らの日々の仕事がこうして紡がれたことを嬉しく思っています。初めてできあがった本を読んでみたときは、中の僕らでも気づかなかった他の事業部の工夫やエピソード、あるいは同僚の審美眼やオーナシップを改めて知り、感心したのでした。また、なぜこうした事業部が独立して生まれてくるのか、そうしたことを中にいながら考える時間にもなりました。

事業をやっているとなかなか思うように策がはまらないことばかりです。うまくいくことはリスクのとり方が小さすぎることが多いです。それはうまくいっているようでうまくいっておらず、事業的に小さな改善にしかなっていないこともしばしばあります。しかしこれをエンジニアリングと重ね合わせると、成果を早く多く出すためのエンジンを改良するための投資がうまくできるようになり、投資機会が連続して作り出せます。この本にはそうしたVOYAGE GROUPの競争力の源泉の1つを生み出す、エンジニアリングの生の現場が詰まっています。

日々まだまだ迷うことも多くありますが、これを励みに引き続き事業に悩んでいきたいと思います。ぜひ読んでみてください。

2021/01/24

2021年に読んだ本

2021年に読んだ本をまとめておく。随時更新。

2020年
2019年
2018年
2017年

最終更新 2021/12/31

  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ  (著)
  • あなたのチームは、機能してますか? パトリック・レンシオーニ, 伊豆原弓
  • 独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 Kindle版 読書猿  (著) 
  • Webブラウザセキュリティ ― Webアプリケーションの安全性を支える仕組みを整理する 米内貴志 著
  • 毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫) 文庫 – 2001/10/18 スーザン・フォワード (著), 玉置 悟 (翻訳)
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書) Kindle版 伊藤 亜紗  (著) 
  • 日本一働きたい会社のつくりかた 社員が夢中になれる企業、ライフルの人事は何をしているのか? Kindle版 羽田 幸広  (著)
  • 2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ (NewsPicksパブリッシング) Kindle版 ピーター・ディアマンディス (著), スティーブン・コトラー (著) 
  • なぜデジタル政府は失敗し続けるのか 消えた年金からコロナ対策まで Kindle版 日経コンピュータ  (著) 
  • Web配信の技術―HTTPキャッシュ・リバースプロキシ・CDNを活用する Kindle版 田中 祥平  (著)
  • プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで Kindle版 及川 卓也  (著), 小城 久美子 (著), 曽根原 春樹 (著) 
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か? 単行本 – 2021/4/14 マイケル・サンデル (著), 本田 由紀 (その他), 鬼澤 忍 (翻訳)
  • 地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる Kindle版 ビル ゲイツ  (著), 山田 文 (翻訳)  形式: Kindle版
  • ミレニアム・ファルコンを作った男 45歳サラリーマン、「スター・ウォーズ」への道 単行本(ソフトカバー) – 2021/7/27 成田 昌隆 (著)
  • 身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質 単行本(ソフトカバー) – 2019/12/12 ナシーム・ニコラス・タレブ  (著), 望月 衛 (監修), 千葉 敏生 (翻訳)
  • 約束の地 大統領回顧録 I 下 単行本 – 2021/2/16 バラク・オバマ  (著), 山田 文 (翻訳), 三宅 康雄 (翻訳), 長尾 莉紗 (翻訳), & 7 その他
  • 約束の地 大統領回顧録 I 上 ハードカバー – 2021/2/16 バラク・オバマ  (著), 山田 文 (翻訳), 三宅 康雄 (翻訳), 長尾 莉紗 (翻訳), & 7 その他
  • ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる!ドメイン駆動設計の基本 Kindle版 成瀬 允宣  (著)  形式: Kindle版
  • 問いかける技術――確かな人間関係と優れた組織をつくる 単行本 – 2014/11/26 エドガー・H・シャイン  (著), 金井 壽宏  (監修), 原賀 真紀子 (翻訳)
  • 成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法 単行本 – 2017/6/15 加藤 洋平  (著)
  • 超一流になるのは才能か努力か? 単行本 – 2016/7/29 アンダース エリクソン  (著), ロバート プール (著), Anders Ericsson (原著), & 2 その他
  • Scaling Teams 開発チーム 組織と人の成長戦略 ~エンジニアの採用、マネジメント、文化や価値観の共有、コミュニケーションの秘訣~ (Compass Booksシリーズ) 単行本(ソフトカバー) – 2020/5/29 David Loftesness (著), Alexander Grosse  (著), 武舎 るみ (翻訳), 武舎 広幸 (翻訳)
  • 企業文化 改訂版: ダイバーシティと文化の仕組み 単行本 – 2016/6/10 E.H. シャイン (著), エドガー・H・シャイン (著), 尾川 丈一 (監修), 松本 美央 (翻訳)
  • 恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす 単行本 – 2021/2/3 エイミー・C・エドモンドソン (著), 村瀬俊朗 (その他), 野津智子 (翻訳)
  • 失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織 単行本(ソフトカバー) – 2016/12/23 マシュー・サイド (著), 有枝 春  (翻訳)