多くを知る人ほど、謙虚に見える。
経験あるメンバーと長く仕事をするなかで感じるのは、学び続けてきた人ほど謙虚だということだ。専門性も、技術も、もともとは自分の中ではなく外にあったものである。無から何かを身に着けたのではなく、本やインターネット、あるいは外の何らかの媒介を通じて情報を得ている。調べ、考え、組み立て、理解する。これを重ねていくと、自分は多くを知らないことに気づく。謙虚な学びの習慣のある人は、自然とまわりから信頼される。
これらの人はただ情報を得るだけではなく、自らが可能にするプロセスを経ている。ただ知識をそのまま横に流すのではなく、どのようにすれば自分がそれを扱えるのかを試行錯誤して身につける。情報をそのまま頭にいれるだけでは何も起きない。組み合わせ、考えて知識とし、自ら試し、失敗し、そして実践知として蓄積することで可能に近づく。学びに謙虚であるほど、過去にとらわれず、物事を新しい目で眺め、観察し、そこから新たな学びを得る。
謙虚ではない人は、物事の小さな違いに気づかない。こうに違いない、という過去の目で物事を見る。情報を得ても、実践せず、経験せず、振り返らない人に学びはついてこない。
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組織において、謙虚に学べる人は地味に見える。
地味でよい。組織の価値観として、積み重ねや知識への貢献の素朴さを尊重し、自然と現れる謙虚さを喜べるか。リーダーシップやオーナーシップよりももっと内面的であり、ものを深く考える人に姿勢としてあらわれる、内在した想い。自分はこれらを汲み上げられる人でありたい。
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先人に感謝し、学びを還元する組織でありたい。