息子も少しずつカタコトを話すようになってきた。
ママ、パパ、わんわん、ブーブーなどはよく口にしている。まだ好きなりんごのことはことばにできないけど、りんごが好きだということはわかっている。いやなら首をぶんぶんとふるし、ほしいものならにこにこして走ってくる。半年前にはわかりづらかった意思表示も、すごく大きく、豊かになってきた。意思疎通ができてとてもうれしい。
ものがわかるようになってくると、やりたいこともたくさんでてくる。道をあるけばコスモスににこにこし、おさかなをあっといいながら指差して近づいていき、はとがいればおいかける。わんわんがいればわんわんわんわんと指をさし、おばあちゃんおじいちゃんとすれちがえばにこにこしている。ものがみえて、わかる、というのはうれしいのだなあと思う。
本のなかのことと、実際の世界のことも少しずつつながってきているようだ。本のなかのわんわんもわんわんだし、道を歩いているわんわんもわんわんだ。しかもチワワ、トイプードル、ダックスフンド、ブルドッグ・・などなどわんわんの種類によらずわんわんだいうことがわかるらしい。これはすごい。なんでわかるんだろう・・・。ものがわかる、というのはどこからか教えていないことまで飛ばして何かが起きて、わかることがぽんぽんと増えていくようだ。
電車にのっていればずっと窓の外をみている。電車がすれちがうとうれしいらしい。そして窓から車がみえるとうれしい。なかでも大きな車がみえるとぶーではなく違うことばをだしている。なにか違いがあるらしい。今日はタンクローリーがくるくるしているのをまじまじとみていた。まわるものがすきらしい。動物園に行ってわにさんだよ、といってもわにのことは興味がなく、天井のプロペラのほうを指さして満足げである。おもしろい。
そうかと思えばごはんを床に撒き散らし、飲んだ水を部屋のなかを歩き回りながら吹き出し、にこにこして走り去っていく。まさに愉快犯である。まったく悪気がない。いまのところ反省するという概念はまだ彼のなかにないらしい。面白い。泣くか笑うかしかない。お腹が空くと泣く。いや、ちょっとママに甘えて、おやつをくれーと寄っていく。自分のほうにはこない。しばらくもらえないとふてて泣き始める。そういう段階がある。ただ悪気だとか悲しいとか、そういうのはあまりない気がする。ただ徐々にそういった感情の種類が増えている。
毎日、毎週、どんどんかわっていく。話しかけて、さわって、みて、なにか感じたことがどんどん増えていく。大人の観察が間に合わないくらい、多くのことを学んでいる。気づけば親ふたりの口癖を真似し始めている。洗濯物をもちあげるとき「よいしょ」といえば「んしょ」と真似している。そんなことは真似しなくていいのに・・というものまで真似していく。