2023/01/28

エレベーター

ベビーカーを押して移動するようになると、エレベーターによく乗るようになった。

休みの日はもっぱら買い物やらご飯やらで外にでる。駅の近くのスポットにいくにはやはり電車が楽だ。二子玉川や、都心のほうにいくときはたいてい電車である。

一人で動く分には何も気にすることはない。階段をえいやとくだり、電車に飛び込むようにのっても問題はない。しかしベビーカーを押しているとなるとまったく別世界である。まずエレベーターの場所を把握する。並んでいれば待つ。もう一度改札からホーム行きのエレベーターに乗る。またそこでも待つ。電車も車両によってベビーカースペースがあることもあれば、表示があってもあくまで優先席しかなかったりする。「この場合はどうする」の分岐がとても多い。

また、時間帯にもよって混み具合も変わる。平日の朝と夕方は通勤で混み、休日の昼過ぎもやや混む。平日朝は都心方向の場合は混むが、逆はそうでもない。そういう具合に方向と時間帯の組み合わせで混み具合が変わる。また休日は比較的後方車両が空いている。

そこまで把握してもなお、時間どおりには動けない。まあそういうものだと思うのがよさそうである。はじめておりる駅の場合はなおさらで、そもそもエレベーターの場所を調べることからはじまる。

ただどの駅に行っても、ちゃんとエレベーターがあるのはありがたい。そしてどの駅にいっても、足腰が不自由だったり、わたしたち同様にベビーカーを押している方々がいる。「ああ、お互いさまですね」といった具合にドアをあけてくれる。そういうちょっとした優しさがありがたい。

「あーここでもうひとり乗ったらきつそうかな」と思えば、ひとりは階段で、ひとりはベビーカーとともにエレベーターへ、という具合の調整もされる。「ちょっと俺歩いていくわ」という声掛けがあちらこちらでされる。なれたものである。ある種のプロトコルともいえるかもしれない。

そういうやりとりも日常になってきたけれど、一年前はまったくそんなやりとりがあるとは気づきもしなかったものである。見ているようで、見ていないものがたくさんある。