2022/03/21

「多様性の科学」を読んだ

「失敗の科学」の著者であるマシュー・サイドの本である。昨年の夏に出た本だ。

タイトルそのままのとおり、画一的で集落する組織の例をあげていきながら、どのように失敗していったのか、ということが紹介されていく。CIAが911を予測できなかった話、エベレスト登山隊で支配的ヒエラルキーによりチームが機能しなかった話など、悲劇的な事例が紹介されていく。

個人的にプラクティスとして面白いなと感じたのは「影の理事会」パターン。会社のボードとは別に、裏の理事会にアドバイスを乞う。世代も人種も違うメンバーから会社の判断に関するアドバイスをもらうことで、本物の理事会の危機感を醸成する。事例としてはグッチのデジタル化が示されていた。

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主張としては一貫して「多様性がないとどうなるか」という話である。それによってどんな失敗が起こるのか、ということを紹介してくれている。

組織において多様性を取り入れるべきかいなか、という点については次が端的な問いになりうるだろう。

"『問題は個々人の知性の高さではない。肝心なのは、集団の中で人々が自由人間意見を交換できるか、互いの反論を受け入れられるか、他者から学ぶことができるか、協力し合えるか、第三者の意見を聞き入れられるか、失敗や間違いを許容できるかだ。イノベーションはたった1人の天才が起こすわけではない。人々が自由につながり合える広範なネットワークが不可欠』"